2017年4月21日金曜日

2017.4.21 H29年度大学・附属英語教育連携推進会議

表記の会議を行いました。

平成29年度第1回大学・附属学校英語教育連携推進会議 議事録(案)

日 時:平成29年4月21日(金)17:30~18:40
場 所:神戸大学国際コミュニケーションセンターD615
出 席
○大学教育推進機構国際コミュニケーションセンター:石川慎一郎,柏木治美,加藤雅之,島津厚久,木原恵美子,保田幸子,大和知史,横川博一
○附属学校:石田麻衣子,津田敦子,緒方高士,泉美穂,大八木優子,軽尾弥々,篠原泰子,島安津子,岩見理華,真田弘和,増見敦
○附属学校部:田村事務長,竹林主任,徳永係員

議会に先立ち,横川委員より開会のあいさつがあった。

【報告事項1】附属学校全体の現状について
事務より,資料1に基づき,附属学校の概況について説明があった。

【議題1】附属小学校:英語教育の現状と課題について
石田委員より,資料2に基づき,附属小学校の英語教育について説明があり,以下のような意見交換が行われた。

○大学から,目標として掲げている「せかい領域」と「グローバル科」の区分について質問があり,「せかい領域」は,7才-8才(2年生-3年生)を対象とし,「グローバル科」は,4年生以上の「教科による学習」として取り組んでおり,その点で目標を区分していると回答があった。
○大学から,あえて『英語』といわないで「グローバル科」と呼んでいる理由と,普通の小学校の英語と附属小学校の考える英語的科目との違いについて,質問があり,小学校からは,扱う言語は『英語』であるが,あくまでもコミュニケーション能力の育成であることに重きを置いているという点で「グローバル科」としていること,附属小学校の独自性については,研究開発の継続を受けたときに文部科学省からも「グローバル科」の内容やカリキュラムとの繋がりについて効果検証を行い明確にすることが必要と指摘を受け,今後,その点も含め附属小学校の独自性についても明らかにしていきたいと回答があった。
○大学から,新しく学習指導要領が改正されることによって,附属小学校の指導の体制について質問があり,英語学習の学習時間は年間で,1年生は18時間,2年生と3年生は35時間,4年生は40時間,5年生は50時間, 6年生は60時間の学習の時間を確保しており,学習の時間に当たる教員の体制については,昨年度まではALTと石田委員とホームティーチャーの3人体制を取っていたが,ホームティーチャーの役割が明確にならず課題としてあったので,本年度よりALTと石田委員との2人体制で試みることになったと回答があった。


【議題2】附属中等教育学校:英語教育の現状と課題について     資料3
1附属中等英語科の取組(増見委員)
増見委員より,中等教育学校全般の英語科の取組について,資料3により説明があった。
・特に,「研究アドバイザリー制度」について,個人的にも教科的にもアドバイスをいただけることに感謝の意を述べるとともに今後とも活用させていただきたいと話があった。

2前期課程より(緒方委員)
緒方委員より,中等教育学校前期課程の英語教育について説明があった。
・前期課程の課題として,スピーチやプレゼンテーションを作る上で,書いたことを覚えて英語で話すことはできるが,英語で質問されると答えられないことがあるので,質問に対してYES,NOだけでも簡単に答えられるようになることが必要と考える。そのために,総合学習のKobeプロジェクトでは,日本語による聞く力・話す力の言語学習訓練に取り組んでいるので,その取組とタイアップして英語学習を進めていくことが必要と考える。

3後期課程より(泉委員)
泉委員より,中等教育学校後期課程の英語教育について説明があった。
・前期課程から後期課程へのつながりとして,教科教育目標(5年誌45頁に掲載)を目指していること。
・テーマ学習とタスクの管理を大事に,レベルをスタンダードとアドバンストに分けて,スタンダードレベルでは文構造をしっかりさせることを中心にした取組を行い,アドバンストレベルでは発信力・対話力を育成していくという取組を行っている。また,英語表現の授業で,パラグラフライティングを中心に行い,形成されてきたと実感している。

中等教育学校の説明後,以下のような意見交換が行われた。

○大学から,資料3(3)のCEFR到達度比較の表で,数値に大きな違いがあるのは何が要因か質問があり,生徒の層の違いによるものであり,指導によるものかどうかは分析していないが,英語科全体で指導について共有化していったので,反映されていることを期待したい,と回答があった。
○神戸大学附属中等教育学校英語評価尺度Kobe University Secondary School Framework(KUSF)を今回改訂したことについて質問があり,GTEC for STUDENTS などの全体的なトータルスコアと,授業でのプレゼンテーションにおける授業内評価との関係性を検証している,と回答があった。

○大学から,オールイングリッシュの割合について質問があり,前期課程では出来るだけたくさんの英語を聞くことを重点にし,必要であれば日本語で文法等説明をしたり,またプレゼンテーションの原稿を作るときは,まず母語で思考させるとなど,基本的にはできるだけ英語で進めるように努めている,と回答があった。
後期課程では,コミュニケーション英語は,習熟度別に分かれていて,スタンダードレベルでは日本語使用が多くなる場合がある。文構造を理解させるために,深く質問するときには,日本語を使用したり,リスニングをした時に英語では答えにくいが理解しているという場合は,英語だけでなく日本語を交えての説明も認めている,と回答があった。

【議題3】大学英語教育の現状と課題について
加藤委員より,「外国語ハンドブック2017年度版」に基づき,大学の英語教育についての説明あり,以下のような意見交換が行われた。
○中等教育学校から,神戸大学の学生の英語力の評価について質問があり,大学では,今年度から外部試験と連動させ,全ての学生に対してTOEICやTOEFLを受験させており,スコアに応じて各科目の単位を認定していると回答があった。

【議題4】H29年度アドバイザリーについて
石川委員より,資料4に基づいて,説明があり,附属学校各委員の関心分野について確認した。

【議題5】大学・附属共同研究の現状について
石川委員より,説明があり,以下のような意見交換が行われた。

○大学から,附属中等教育学校に対して,大学との共同研究の経験について質問があり,中等教育学校からは,大学と学校とでは物理的に距離が離れているが,大学教員が積極的に学校に足を運んでいただいたこと,アドバイスをたくさんいただいたことが有難かった。今後は,附属教員も大学へ行き来できるようになればよいと,回答があった。
○大学教員が,附属中等教育学校を訪問したい場合,アポイント等条件はあるのかという質問があり,中等教育学校としては,特別に設けておらず,授業見学はいつでも参加していただけること,12月には英語教育の勉強会を開催することのアナウンスがあった。なお,大学教員が中等教育学校に来られる際は,軽尾委員に連絡する旨,回答があった。

中等教育学校の軽尾委員よりあいさつがあり,閉会となった。

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その後,恒例の茶話会を実施し,意見交換と英語教育に係る問題意識の共有を行いました。

大学側報告(加藤教授)

中等(後期)報告(泉教諭)

中等(前期)報告(緒方教諭)

中等(全体)報告(増見教諭)

全体会の様子

茶話会の様子