2016年12月9日金曜日

2016.12.9 第20回外国語教育セミナー ピアレビュー

コンテンツ研究部門では,以下の内容で第20回外国語教育セミナー(教員・院生向け)を実施します。

日時 2016年12月9日(金) 0850~1100
会場 神戸大学鶴甲第1キャンパス(国際文化学部キャンパス)D615 (CALL教室)

第1部 センター教員ピアレビュー(0850~0950) 
報告者 木原准教授(英語) 保田准教授(英語) 西出講師(ドイツ語)
※ビデオカンファレンス方式を採用しています。各教員が自分自身の授業風景をビデオに撮影し,その一部を上演しながら,それぞれの授業の工夫などについて報告します(質疑・入れ替え込み1名20分)。


第2部 講演会(0950~1100)
講師 南山大学 太田達也先生
演題 「学習者中心の外国語教育について考える」
講師ご専門 日本人ドイツ語学習者の作文プロセスと教員フィードバックの受容、ドイツ語教員養成など


※本セミナーは例年通り,外部にも公開しております。参加希望の方は,11月末日までに担当 iskwshin@gmail.com までメイルでご一報くださいませ。

終了しました! (報告:2016/12/9 文責:石川)

当日は学内外から23名の参加があり,盛況でした。

第1部について,木原准教授から,ライティングを中心とした授業実践の報告がありました。TOEFLのエッセイ課題などを素材としたライティングのトレーニングを重ねることで,学生の書ける英文の量が増えたということです。保田准教授からは,4技能統合,ESP,Real-world English,ワークシート提出方式という4つの観点に基づく授業の報告がありました。海事科学部の学生には船の浮揚の仕組みに関する素材を使用する等,学生の専門分野をふまえた内容の設定により学習の動機づけが引き出されたということです。西出講師からはアクティブラーニングの視点を導入した初級文法の授業報告がありました。「なんでもカード」で教員と学習者のインタラクションを保証し,あわせて,グループワークで学習者間のインタラクションを保証する工夫を行ったということです。

第2部では,NHKのドイツ語番組の監修者としても著名な太田先生より,ご講演をいただきました。太田先生の講義は,参加者間での意見交換等を組み込んだインタラクティブなもので,学習者の自律性,内発的動機づけ,行動中心主義,協働学習,発達の最近接領域等の視点を組み込んだ授業開発の重要性が示されました。また,ライティングのフィードバックに関して,文法的な問題を教師が明示的に修正した場合よりも,問題個所のみを示す(修正はしない)場合のほうが,結果的に学習者の作文の正確性が高まるというご自身の研究結果が示され,教示主義ではなく構成主義的な学力観・指導観・教材観の重要性と,「リフレクションのできる<学び上手>」を育てることの必要性が示されました。

アンケート結果(出席者23,回収回答数14)
第1部 有益だった 13 ある程度有益だった 1 どちらとも言えない/あまり有益でなかった/有益でなかった 0
第2部 有益だった 13  ある程度有益だった 1 どちらとも言えない/あまり有益でなかった/有益でなかった 0

感想等(適宜要約させていただいています)
大変勉強になりました/第1部のプレゼンが大変勉強になった/講演は理解しやすくおもしろかった/インド英語を使っている点がよい(保田先生の授業について)/なんでもカードのアイデアがすばらしい(西出先生)/自律学習について理解が深まった/学習者中心の意識が変わった/作文添削について講師の話が興味深かった/授業公開では普段の自分の授業と違うスタイルを学べて刺激を受けた/アクティブラーニングについても自分の考えが深まった,また自分の授業に改めて自信が持てた/勤務校では英語と言っても苦手な学生が多いのでドイツ語の実践や講演から学べるところがあった/質疑応答の時間がもう少しあればよかった/講師・発表者の組み合わせがよかった/日々忙しく教えているのでこの時期に振り返る機会があってよかった/他の教員がどんなリソースを使って授業をデザインしているのかわかってよかった


全体風景

木原准教授報告

保田准教授報告

西出講師報告


太田先生のご紹介(福岡准教授)

太田先生ご講演風景